トンネル覆工コンクリートの味方！水を使わず軽量で何度でも使える画期的なコンクリート養生工法「アドバルーン工法」

技術の概要

高品質なトンネル覆工コンクリートを作るには、型枠を取り外した後、コンクリートの硬化初期に湿潤養生をしっかりと行うことが大切です。
このため、散水機能を備えた高価な養生システムをトンネル工事ごとに製作し導入するのが一般的でしたが、当社は、水を使わず、軽量で、繰り返し使用できる新しい養生システム「アドバルーン工法」を開発しました。
本工法は、細田曉教授（横浜国立大学大学院）のご指導を受け共同で開発した技術です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和 5 年度土木学会賞「技術開発賞」を受賞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※「アドバルーン」は弊社の商標登録です

養生システム

アドバルーン工法（下図）は、以下の部材で構成されています。
　1.養生シート
　　コンクリート中の水分を逃がさない専用シート
　2.小径バルーン
　　直径150mmのチューブ状バルーン。養生シートを覆工コンクリート面に密着させるための部材
　3.バルーン架台
　　断面寸法の異なるトンネルにも使えるように、小径バルーンの長さを調整する装置
　4.レール
　　養生システム全体の荷重を支え、トンネル延長方向に移動させるためのもの
　5.エアーユニット
　　小径バルーンに空気を注気・排気して内圧を一定に保つためのシステム

特徴

① コンクリート中の水分を利用して保湿養生を実現する無給水システム
② 異なるトンネル断面に転用可能（一般部、拡幅部など）
③ 再利用可能で廃棄物がほとんど出ない環境負荷の小さいシステム
④ 軽量で移動しやすい

養生性能と養生効果

アドバルーン工法を実トンネルに適用し、養生性能と効果を確認しました。

1)養生性能
給水することなく、覆工コンクリート表面での高い保湿性と保温性を実現

2)養生効果
非破壊試験（表面吸水試験［SWAT］、表層透気試験［Torrent法］）により、覆工コンクリート表層の品質向上に有効
コンクリート表層の品質試験結果

現場適用実績

直轄トンネル：　２件
地方自治体　：　１件

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